私は91歳(享年)の母親と同居していました。
すでに私自信が老齢の仲間入りですので、老老介護になってしまいましたが、この先まだまだこの生活は続くと思っていました。
皆さんの中にも、年老いた親を抱えて大変な思いをしている方々がいらっしゃると思いますが、未知の世界の方々も大勢いらっしゃると思いますので、老齢介護の一部を紹介したいと思います。
皆さんが一番始めに苦労させられるのが、下の世話です。
尿取りパットを利用しているうちは良いのですが、完全にオムツ状態になりますと、下着やシーツ・パジャマまで、おしっこだらけになります。これを手で洗ってから、洗濯機に入れませんと、洗濯機に尿の臭いが付いてしまいます。
トイレに行ってくれればよいのですが、間に合いません。室内には簡易トイレまで設置してあります。でも、間に合わない場合があります。でも、しかたありません、将来の自分自身ですから。
次に、この簡易トイレの掃除があります。これは毎朝の日課です。
更に、おしっこで一杯になった紙オムツの処理です。ゴミだしは毎日ありませんので一定の場所に保管するしかありませんが、おしっこは直ぐに匂ってきます。勿論、ビニール袋から尿が漏れることもあります。
そして、日々の食事の世話が大事な日課になります。我が家では週3日はデイケアサービスを利用していますが、それでも、朝晩の食事は毎日必要です。飽きないように洋食にしたり和食にしたり、変更をします。食欲を落とさせないためです。
母親は一日中ベットの中にいますので、食が湧きません。でも、食べさせないと体力が持たず、また病気になる確率が上がってしまいます。勿論、高血圧であり、その他持病も持っていますので、食事にも気を使わなければなりません。
毎日、献立を考えるのも至難の業と女房殿も困っていました。好き嫌いがとても激しく、我儘な性格でしたので、食べてもらえるように品数が増えてしまい、手間も同じように増えてしまいました。
私達は何とか協力し合いながら介護をしていますが、独身者の方の場合は、より悲惨なことになるのが目に見えます。
独身者であれば、出社前に親の食事の世話、日中は介護の方に来てもらいトイレ等の世話を見てもらいますが、1・2時間が限度です。それ以上は自費負担になります。帰宅後から翌朝までは勿論自分ひとりで親の面倒を見なければなりません。この為には家の鍵を他人に預けなければなりません。
毎日お風呂に入りたい親であれば、私達子どもが、親を抱えて風呂に入れなくてはなりません。体重50kgの親を抱えるには、60kg以上の体力のある人でなければ、抱えることは出来ません。普段、30kgのバーベルさえ持ち上げることができない私達ですから無理ですね。
この様に、親の介護は私達の勤めになります。男の子一人、女の子一人の家庭が多い現在、夫婦双方の親を面倒見なければならない時代に入ってきています。
その時、独身のあなたは親の面倒をみることができますか!