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男の脳を知る②

前回の続きです。

その6:序列の重視
安定せず曖昧な上下関係は、男性を極度の不安に陥れる。しかし、軍隊のように確立された指揮系統は、テストステロンの減少に繋がり、ひいては男性の攻撃性を中和させる。

その7:時間と共に成熟する
序列を巡っての競争は男性の宿命である。早ければ6歳で始まる上下関係の形成で、少しでも優位に立とうとするために、攻撃的な言葉を使うようになる。決着がつくまで殴り合うより、言葉での戦いを選択する。

若い時は、社会ステータスや異性の獲得競争に夢中になるが、年とともに絆や協調に敬意を示すようになる。人を出し抜くという行為に興味を失い、社会貢献や良好な人間関係の構築に目を向けるようになる。

年とともにテストステロンが減少することで、男性はより成熟した大人になる。テストステロンが多く分泌されている時期では、一対一の競争を得意とするが、そのホルモンが減少するにつれ、協調が必要なチーム競技で秀でるようになる。

その8:父性意識の目覚め
男性の脳が最も協調的になるのは、父親になる数カ月前である。父親になるという思いが、テストステロンを減少させ、黄体刺激ホルモン「プロラクチン」の分泌を促進し、父親らしい行動ができるようになる。

妊娠した女性から発するフェロモンが男性の潜在意識に作用すると考えられる。そして、これは女性からの恩返しでもある。なぜなら、最初は男性フェロモンが、妊娠する前の女性を良い母親にするニューロン(神経細胞)の新しい形成を促していたからである。

その9:子供の成長には大切な存在
子供に対し、少し乱暴でからかうような父親の接し方は、子供に自信を与え、世の中に順応する術を教える。そして、父親も子供と遊べば遊ぶほどテストステロンが減少する。

人間の子供は、動物界の中で最も世話が必要な存在である。良い父親は子供の生存率を向上し、ひいてはその遺伝子の繁栄に貢献する。

 その10:本当は男性も結婚が好き
女性は落ち着くことを望み、男性は永遠なる精子の種まきを望む。この認識は、アメリカの多くの心理学者が「研究対象の男性を大学生のみに依存した」ことで導き出された誤解であり、事実ではない。

 男性の浮気は30歳でピークを迎え、その後は家庭に専念する。もちろん、男性によってはそうならないケースも存在する。しかし、そのような男性は、「promiscuity gene(乱雑遺伝子)」に汚染されている可能性があることが、2008年の米国科学アカデミー紀要に報告されている。

「乱雑遺伝子」を持たない男性(全体の60%)は、結婚し幸せな家庭を築く可能性が非常に高い。しかし女性にとって残念なことに、その遺伝子を持つ男性をふるいにかける術はない。

 

しかし、「乱雑遺伝子」を持たない男性6割もいるとは素晴らしいことですね。私などは…。