1980年代の初め、アメリカの、心理学者カイリーは、性役割があいまいで自己同一性を喪失し、
社会にうまく適応できない青年男子が数多くいることに気がつきました。
カイリーはそれらの男子青年のこころの状態を「ピーターパン・シンドローム」と名つけて社会病理現象としてとらえたのです。
ピーターパンは永遠に大人になれない少年です。
その天真爛漫な幼児性をもって勝手気まま生きているのです。
ネバーランドという夢の世界では、明るく元気ないたずらっ子のヒーローですが、現実の世界では親からも忘れられてしまった自己同一性のないあいまいな存在です。
ウェンディーを(ウェンディとは、年齢的には大人の“少女”で、”ピーターパン”の母親的役)ネバーランドにつれていってお話を聞かせてもらったり、身の回りの世話をしてもらっても、ちっとも感謝せず、あたかもそれが当然のように考え、自分からは思いやりをみせることもなく、わがままにふるまいます。
ただ、フック船長と対決する冒険などのときはさっそうと子供達の危機を救って、自分の強さや存在を誇らしげにアピールするのです。
カイリーはこういったピーターパンの行動の特徴に合わせて、社会的適応不能を示している青年男子の「無責任」「不安」「孤独」「性役割葛藤」「ナルシシズム」「男尊女卑志向」という特徴をとらえたのです。
確かに日本でもこんな傾向があるようです。
公共の場所でのマナーもそうです。
社会での自分の役割、繋がり。自己中心になっていませんか?
40才も過ぎた男性が母親に甲斐甲斐しく世話をしてもらって当然と想う心理・・・
せめて、感謝の言葉は述べてもらいたいです。