私が小学生時代に夢中になって読んだ本の中に、「シートン動物記」があります。
その中の「狼王ロボ」の実話は非常に感動的であり、シートン自身も狼に対する見方が大きく変わった出来事であったようです。
今から100年前、アメリカのニューメキシコ州での出来事。
鉄道強盗のビリーザ・キットの懸賞金が500ドル(当時)なのに対して、狼王ロボの懸賞金はなんと2倍の1.000ドル。
全米の賞金稼ぎがロボを退治しようと挑戦しましたが、全て失敗に終わりました。
そこに登場したのが、シートンです。
度重なるロボとの攻防の末、シートンがあきらめかけた時、偶然ロボの弱点を発見したのです。
それはメス狼のブランカでした。
優れたリーダーシップを発揮し、群れを統率してきたロボの弱点が愛らしいメス狼であったとは。
シートンは計略でブランカを仕留め、理性を失ったロボをブランカの匂いで誘い出し、ワナにかけたのです。
生け捕られたロボは、その後一切食事をせず、死亡しました。
男(狼)として何という生き様でしょうか。
シートンのために一言。
彼はあえてこの話を上梓し、批判を一身に浴びました。
子供たちに、野生動物にも人間と同じ心があることを伝えるために。